本小松石の記憶
時とともに石面の表情を変える
本小松石の
それは、劣化ではなく変化なのであろう。
また、本小松石という存在は
また、本小松石という存在は
周りの光や影、空気、時間をも変化、調和させてしまう
不思議な石。
調和を大切にしてきた日本人には、
我々日本人の価値観、趣向に
合致したまさに
【日本人】そのものなのである。
出合い:
本小松石との最初の出会いは、
出合い:
本小松石との最初の出会いは、
僕が確か小学三、四年生の
暑い夏休みの日であった。
父がお盆前の墓石工事の仕上げ作業に
一人で行くにあたり、
連れて行ってもらったのがきっかけであった。
家の中で昼食の後、カキ氷&スイカを
食べていたときのことだ、
「セミ取りに行くぞ」
「セミ取りに行くぞ」
言葉に誘われて、その素直な少年は暑い中では
あったが、目を輝かせついていったのである。
夏休みの、イメージ通りのあのコスチューム!
ランニングに半ズボンそして麦わら帽子、
手にはセミを取るための網と虫かご。
この、いかにもパーフェクトな、
夏休みの少年ルックであったのは
今でも目に浮かぶ。
現場に着くと、父は仕事を始めた。
と思ったがしょうがない、
一人でセミ取りをすることにした。
虫かごには時間が経ったらセミが結構いた。
セミ取りもそろそろ飽きてきたので
セミ取りもそろそろ飽きてきたので
父の仕事を見ていた。
その時父が、
再会:
本小松石との再会は、
本小松石との再会は、
僕が中学一年生の夏休み(28年前)であった。
本小松石の地元、神奈川県足柄下郡真鶴町
の小松石の山元そして加工屋さんへ
僕と従兄弟(範夫兄ちゃん22歳)、
従兄弟の友達2人
(ヒサヨシ君22歳、栗ちゃん22歳)
の4人で2トン車にて引き取りに行ったのである。
栗ちゃんは八王子で合流のため、
それまでは3人で向かったのである。
なぜか、埼玉県の吉見百穴にて観光!
何故立ち寄ったのか、いまだに謎なのである。
ちなみに吉見百穴とは:
東松山駅から車で数分のところ、
市野川に面したいくつもの穴が口を開けた
岩山があり「吉見百穴」といわれています。
明治20年に坪井正五郎博士が発掘した当時は、
コロボックル人の住居跡ともいわれましたが、
現在は墳墓説が定着しています。
凝灰岩の岩山に掘られた墳墓の中は、
遺体をおさめる場所が一段高く作られています。
また中には、それが左右2個所に設けられた
墳墓もあります。
このような墳墓を作った人々は
どのような人だったのでしょうか。
墳墓というと「さきたま古墳群」
のような前方後円墳などの古墳を想像しますが、
この周辺には「吉見百穴」をはじめいくつかの
「横穴墓群」が存在します。
古墳時代の後期につくられたと推定されていますが、
古墳を築造した人々とは違う文化をもった
民族がこのあたりに住んでいたのかもしれません
吉見百穴墳墓、、、そして、墓石を引き取り、、、
吉見百穴墳墓、、、そして、墓石を引き取り、、、
兄貴達の立寄った意味が今解けた、、、
とは考えすぎ?!
八王子で栗ちゃん(関電工下請け業者勤務)と合流
一路、真鶴へ出発
八王子で栗ちゃん(関電工下請け業者勤務)と合流
一路、真鶴へ出発
目的地到着:
真鶴に到着。
出来上がっていた本小松石はやはり、
本場、真鶴加工である。青手の地色を引き出したとても
上品で丁寧な仕上がり。
お茶をよばれている間に、本小松石を積み込んでもらった。
お茶をよばれている間に、本小松石を積み込んでもらった。
そして、僕達は工場を後にした。
海水浴:
海水浴:
帰りは、真夏の真鶴、海無し県(栃木県)の僕達には
これと無いチャンス。海水浴をしないほうがオカシイのである。
全員、トラックから飛び降り、
一気に海へとまっしぐら。
伊豆の海での海水浴は初めての経験。
帰り道:
帰り道:
夕方まで泳ぎ、八王子へと向かったトラックの荷台では、
僕と栗ちゃんがまたそこにいた。
また、目を合わせ、ニヤリと笑ったのを覚えている。
幾ら夏とはいえ、海から出たばかりの体と、日が暮れた暗闇から襲い掛かってくる風には
13歳の若き僕でさえかなわなかった。
荷台で巻き込む風はとてもつめたく感じられた。
後続車のライトに自分の体が映しだされるころには
限界が近づいていた。
気温は一気に下がり、体温も下がっていくのを感じた。
とても寒かったのである。
二人は石塔の間の狭い空間に身をよせ、
体を毛布で何重にも巻き、我慢寝をしていたが、限界だった。
二人は、運転席を叩き、「変わってクレー」と叫んだ。
トラックが止まり、席をというよりも場所を変えると環境が一変した。
トラックの室内はまさに楽園であった。
音は対向車とすれ違うときのあの風圧音から音楽へと、
風は巻き込む冷たい風から暖かいヒーターの風へ、
体へ伝わる直接的な振動はシートスプリングを介したやわらかな動きへと、
まるで別世界であった。
栗ちゃん運転のトラックは、やがて八王子へと着いた。
本小松石は何色:
本小松石の色は主に、
本小松石の色は主に、
緑、グレー、アズキ
の3色に分けられている。
また、様々な石目模様が加わる。
中でも緑色の石の面が高級である。
グレー、アズキもそれぞれ個性があり、
中でも緑色の石の面が高級である。
グレー、アズキもそれぞれ個性があり、
魅力的な石である。
本小松石はひとつひとつ顔が違う、
こんなにも表情豊かな石は珍しいのである。
見るとやけに落ち着くのは僕だけだろうか。
それは・・・
歴史と時間が
本小松の厚化粧には注意:
グレーの石面の本小松石をわざわざ
緑色に化粧を施す加工業者がいる。
また、知ってか知らずかそんな石を
なにくわぬ顔で販売する石材業者もいる。
昨日今日始めたにわか業者ならいざ知れず、
代々続いている石材販売店
の中にもいることは事実。
その本小松石を提供するとは寂しい話では
ないだろうか。
中国産の石材を国内産の石材
として販売している業者もいるのも事実。
偽装は食肉だけではないようだ。
ちなみに石材業界には補助金は無い・・・
採雲堂 酒井 郁夫
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