五代目店主のブログ|石のさかいTOP > MAGAZINE > 五代目店主のブログ|石のさかい五代目店主のブログ|記事一覧 一覧へ戻る道ばたの石⑧|常夜灯|帰る灯を待つ石2026-05-16カテゴリ:五代目店主の視点,道ばたの石オススメ夜道の先に夜道を照らしていた、小さな石の灯。夜の道に、小さな石の灯が残っている。今では、街灯や車のライトに埋もれてしまった。ただ昔は、あの灯りが見えることで、人は、「もうすぐ帰れる」と思った。村へ戻る灯「故郷は、あちらだ」と知らせる、小さな灯。山の道。田のあぜ道。風の強い夜。昔の夜道は、今よりずっと暗かった。常夜灯は、道を照らすだけではなかった。村の存在を知らせる灯でもあった。海の灯台ほど大きくはない。ただ、夜道を歩く人にとっては、「故郷は、あちらだ」と知らせる、小さな灯だった。帰るということ灯を見て、人は何を思ったのだろう。灯が見えると、人は、ほっとしたのだろうか。それとも、「もうすぐ帰る」と、少し緊張したのだろうか。人によって、違った。帰れば、待つ人がいた人もいる。静かな家が待っていた人もいる。また明日の暮らしへ戻る人もいた。常夜灯は、ただ夜道を照らしていたわけではない。神社の入り口の灯祈りの入り口にも、静かな灯があった。神社の入り口に立つ常夜灯は、また少し違う灯だった。夜道の先に、静かに石の灯が浮かぶ。その先には、祈り。静けさ。畏れ。人は、少し姿勢を正した。灯りは、人の気持ちを照らした。いや、影を作った。灯りと影灯りは、人の気持ちを照らす。いや、影を作る。昔の夜は暗かった。だから、灯りは強い。強い灯りは、濃い影を作る。不安。安堵。孤独。願い。その時代を生きた人たちは、いろいろな想いを抱えながら、あの灯を見ていた。思えば、常夜灯は、その時代を生きた人たちの感情を、静かに見続けてきた石なのかもしれない。道ばたに残る灯石だけは、今も静かに残っている。火は消える。人もいなくなる。村の形も変わっていく。ただ、石だけは、今も道ばたに残っている。誰かを迎え、誰かの帰りを待っていた石。その灯りは、もう夜道だけを照らしていたのではないのかもしれない。道ばたの石は、今日も静かに、そこに立っている。次回へ水は、人がいなくなると、先に静かになる。水は、人がいなくなると、先に静かになる。手を洗う人。柄杓の音。濡れた石。次回は、「手水鉢|人の手を待つ石」へ続く。道ばたの石は、 静かに語り続けている。 そこには、 私たちの暮らしと、想いがあった。