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五代目店主のブログ|石のさかい

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道ばたの石⑥|十九夜塔|月を待った石
2026-04-22
カテゴリ:道ばたの石
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十九夜塔 月待信仰の石碑 栃木県の路傍
十九夜塔。月を待っていた場所に残る石。



月を待つ夜があった。


決まった日に、
決まった場所へ。

誰かに言われたわけでもなく、
ただ、そこに集まっていた。



十九夜。

この夜に現れる月に、
願いを重ねる風習があったと伝えられている。

とくに、
女性たちが集まる講として営まれ、
安産や子育てを願ったともいう。

出産は、
いまよりもずっと、
命に近い出来事だったのかもしれない。

だからこそ、
同じ夜をともに過ごしながら、
それぞれの願いを重ねていたのだろう。



月が出るまでの、
静かな時間。

言葉が交わされたのか、
それとも、ただ並んでいたのか。

石は、
そこにあった出来事を、
何も語らない。



願いがあったから、
この石は建てられたのだろう。

けれど、
それ以上に確かなのは、

同じ夜に、
同じ場所で、
同じ時間を待っていたということ。



石は、
何かを叶えるものではない。

ただ、
人が何かを願い、
そして待っていたことを、

静かに残している。





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