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五代目店主のブログ|石のさかい

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道ばたの石⑤|疫を留める石|境に置かれた祠
2026-03-31
カテゴリ:道ばたの石
チェック
庚申塚
庚申塚(参道入口に立つ石)
参道入口に立つ庚申塚
鳥居をくぐると、
参道の片側に石が立っている。

庚申塚である。

それは道のはじまりに置かれ、
来るものを黙って見ている。

誰が立てたのかは、もう分からない。
ただ、ここに置かれた理由だけが残っている。

疫を留める祠
疫病神を祀る祠
木の根元に置かれた祠
少し歩くと、木の下に小さな祠がある。

中の石には、「疫病神」と刻まれている。

病を祓うのではない。
ここに留めるための場所である。

来るなとは言わない。
ただ、これ以上先へは進ませない。


そのために、この場所がある。

青面金剛
青面金剛像(庚申信仰の本尊)
青面金剛像
さらに奥へ進むと、石像がひとつ。

青面金剛。

かつては怒りの形相であったはずの顔は、
風に削られ、雨に削られ、
いまは何も語らない。

それでも、体の構えだけは崩れていない。

ここから先へは、行かせない。

そう言っているように見える。

守りの重なり
道の入口に石があり、
途中に祠があり、
その奥に像がある。

守りは、ひとつではない。

受け、留め、押し返す。

その重なりの中で、この場所は保たれてきた。

重なる時間
間々田八幡宮境内の風景
境内に残る静かな場所
祠の前に、いくつかの硬貨が置かれている。

新しい光を帯びたそれらは、
つい最近、誰かがここに立ったことを示している。

昔の祈りは消えていない。
ただ、形を変えて続いている。

この土地には、長く人が暮らしてきた。

名を残した者もいれば、
残さずに去った者もいる。

疫病は、そのどちらにも等しく訪れた。

だから、この石は、誰かのためではない。
ここにいたすべての人のためにある。

ここは、間々田八幡宮の境内である。

この地に暮らした者の時間が、
いまも静かに重なっている。

境
木の下に立ち、しばらくそこにいた。

風の音しかしない。

それでも、この場所には、
確かに境がある。

石は語らない。

だが、語られなかったものは、ここに残る。




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