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五代目店主のブログ|石のさかい

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道ばたの石③|道祖神|境に立ち、人を見てきた石
2026-03-24
カテゴリ:道ばたの石
チェック
道祖神 境に据わる石
鳥居をくぐると、

参道の脇に石が立っている。

道の境。

村の境。

人の行き来が重なる場所。

昔の人は、

そうした場所に石を据えた。

外から、

良くないものが入らぬように。

道を歩く人が、

無事に帰れるように。

その願いが、

道祖神になったのかもしれない。



(鳥居・参道写真)
鳥居と石橋が並ぶ参道入口。境界の空気を感じる風景。
人は、境を越えながら道を歩いてきた。
石は、

いつの間にか、

道の端に立っている。

誰かが、

そこへ据えた。

ただ、

長い時間の中で、

石だけが静かに残った。

ここから先は、

どこなのか。

ここまでが、

どこだったのか。

道の途中には、

目には見えない境がある。

行く者。

帰る者。

内へ入る者。

外へ出る者。

そのあいだに、

石が立っている。




(道祖神写真1)
草むらの中に静かに立つ道祖神の石碑
境には、今も静かに石が立っている。

人は、

その石の前で、

ほんの少しだけ足を緩める。

越えてよいのか。

戻るべきか。

石は何も語らない。

ただ、

そこに立っている。

歩いていると、

ふと、

足を止めたくなる場所がある。

理由は分からない。

ただ、

そこに何かがある気がする。

石の前に立つと、

風の音が少し変わる。

時間が、

わずかに揺らぐ。

振り返る。

すると、

今歩いてきた道の向こうから、

同じように歩いてくる者がいる。

境のこちらと、

向こう側。

そのあいだに、

自分が立っている。



(道祖神写真2)
正面から見た苔むした道祖神の石像
石は動かない。人だけが、その前を通り過ぎていく。
やがてその者は、

石の前で足を止める。

そして、

何も言わず、

こちらを見ている。

越えるのか。

戻るのか。

決めるのは、

いつも人だ。

石は動かない。

ただ、

境に立ち続けている。

長い時間、

人の行き来を見ながら。

雨の日も。

風の日も。

静かな夕暮れも。

道ばたには、

今も静かに石が残っている。


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