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五代目店主のブログ|石のさかい

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道ばたの石②|馬頭観音|馬と人がともに生きた時代の石
2026-03-13
カテゴリ:道ばたの石
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馬頭観音 馬と人がともに生きた時代の石
道ばたに立つ馬頭観音の石碑(馬と人の暮らしを見守る石)
道ばたに静かに立つ馬頭観音。 かつてこの道を歩いた人と馬の時間を、石は今も見ている。
峠の曲がり角や、
田舎道を歩いていると、
道ばたに石碑を見かけることがある。

庚申塚の石もある。

馬頭観音の石もある。

苔むした石に刻まれた文字は、
長い時間の中で少しずつ角が取れ、
柔らかな表情になっている。

この石は、
どれほどの道を見てきたのだろう。

昔、
人と馬はともに生きていた。

畑を耕すのも。

荷を運ぶのも。

遠い町へ向かうのも。

人は、
いつも馬とともに道を歩いていた。

同じ道を進み。

同じ風景を見て。

同じ時間を重ねていた。

この石は、
そんな時代の道を、
静かに見てきたのだろう。

歩き疲れ、
私はその石の横に腰を下ろした。

水筒のお茶をひと口飲み、
石碑の文字を眺める。

刻まれた文字の中に、
見覚えのある名があった。

石工
酒井〇〇。

その瞬間、
目の前の風景が、
少し変わった気がした。

石を叩く音が聞こえる。

乾いた、
小さな音。

見ると、
石の前に一人の石工が立っている。

ノミを当て。

槌を振り。

ゆっくりと文字を刻んでいる。

その背中は、
遠い昔の人のようにも見え、
どこか自分にも似ている。

石を刻むその人の前に、
一人の男が立っている。

長い道を歩いてきたような顔で、
静かにその様子を見ている。

ふと気づく。

それは、
今ここで石碑の横に腰を下ろしている、
私自身なのかもしれない。

石はただ、
その間に立っている。

何百年ものあいだ、
人の暮らしと道を見守りながら。

風の日も。

雨の日も。

静かな夕暮れも。

石は、
何も語らない。

ただ、
そこに立ち続けている。

そしてその時間は、
今もどこかで、
続いているのかもしれない。



この石の話には、
続きがあります。


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